物流知識

物流現場における先入れ先出しとは?管理する方法は?

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■物流現場における先入れ先出しとは

◆そもそも先入れ先出しとは

物流現場における先入れ先出しとは、一言で言えば先に入れた(入荷した)ものを先に出す(出荷する)という意味です。

ファースト・イン・ファースト・アウト(First In, First Out)の頭文字からFIFO(フィーフォー)とも呼ばれます。

どんな商品であっても時間の経過に従ってほこりを被ってしまったり、空気に触れて外装が劣化したりしていきます。先入れ先出しを行い、先に入荷したものから出荷することで倉庫内での在庫の滞留を防ぐことができます。

◆先入れ先出しは在庫管理の基本

先入れ先出しは在庫管理の基本中の基本で、どんな商品であっても特別な事情が無い限り先入れ先出しを行ったほうがよい、とされています。ただ、先入れ先出しを行うと言っても厳密に管理を行うには相当の工数が必要になります。

工数は人件費としてコストに直結してくるため、現場ごと、商材ごとにどれだけ先入れ先出しのコスト・ベネフィットを評価し、どのような方法で、どの程度厳密な先入れ先出しを行うかを決めていきます。

◆現場ごと・商材ごとに必要な厳密さは異なる

最初に、現場ごと、商材ごとにどれだけ厳密な先入れ先出しが必要かを確認していきましょう。例えば日用雑貨を扱う倉庫であれば基本的にそこまで厳密な先入れ先出しは必要ありませんが、一部で扱っている食品類については先入れ先出しを行わないと賞味期限切れになって在庫を廃棄しなければならなくなってしまいます。このように、一つの現場の中でも一部の商材においては先入れ先出しを意識的に行うなどの対応が必要になる場合もあります。

ただし在庫の回転率が高い商材であれば緩やかな先入れ先出しでもほとんど廃棄が発生しないような場合も考えられます。そうした場合厳密な先入れ先出しにこだわることで廃棄以上に管理コストがかかってしまうという場合もあります。

先入れ先出しの管理方法はWMS(倉庫管理システム)と密接に関わるため、WMSの導入・リプレース時点で数年後の状況まで想定した上で慎重に考える必要があります。

■厳密な先入れ先出しと緩やかな先入れ先出し

◆緩やかな先入れ先出し

それでは厳密な先入れ先出しと緩やかな先入れ先出しではなにが異なるのでしょうか。緩やかな先入れ先出しの場合、SKU(最小管理単位)はJANコード別であることが多いです。管理上、JANコードが同じ商品であれば同じ商品と見なすということです。ピッキングの際に、1つのSKUの中で極力古いロットの製品から順に出荷していきます。このとき、WMSではいつ入荷したどのロットかは管理を行わず、作業者が先入れ先出しを担っている、ということになります。これが緩やかな先入れ先出しの方法です。

◆厳格な先入れ先出し

最も厳格な先入れ先出しを行う場合、SKUはロットごととなります。管理上、同じJANコードの商品であってもロットが異なれば別のものとして管理を行うということです。ピッキングの際にはWMSがどのロットから出荷するかを指示し、作業者はそれに従って作業を行います。つまりWMSが先入れ先出しの管理を担っているということになります。これが最も厳格な先入れ先出しの方法です。

◆厳格な先入れ先出しはデメリットも多い

ただ、WMSでロットを管理するためには入荷時にロット情報を入力しなければなりません。もし商品にロットナンバーがなければ作成・シール添付などを行う必要があります。また同じ商品であってもロットを混ぜないためには安易に棚の集約もできません。引当数と棚にあるそのロットの商品の数が合わなければ欠品となりイレギュラー対応が増えてしまいます。またロットごとに別の場所に保管するために棚の保管効率も下がってしまいます。

WMSで管理できたほうがよい、と安易に考えず現場に適した管理の方法を取るのが大切です。どうしてもロットでの管理をしなければならない場合のみロット管理を行なう、くらいに考えておいたほうがよいでしょう。

■一部の在庫だけ厳密に先入れ先出し管理をしたい場合

全体の9割程度は緩やかな先入れ先出しでよいものの、一部の商品に関してのみ厳密に先入れ先出しで管理をしたい場合の方法を紹介します。

WMSにロットで管理する機能がついていない場合、一部の商品のためだけに改修やリプレースを行なうのは現実的ではないかもしれません。

そうした場合には先に出荷する予定のロットのみピッキングエリアに格納し、残りの在庫は在庫の引き当てがかからないリザーブエリア、もしくは引当不可ロケーションに格納しておきます。ピッキングエリアの在庫がなくなったらリザーブエリアから先入れ先出しでピッキングエリアに在庫を移動させます。

リザーブエリアからピッキングエリアへの在庫移動はピッキングに比べて頻度は低いため、熟練作業者に作業を担当させればミスは起こりにくく、ピッキング作業者はWMSの指示通りにピッキングを行えば自然と先入れ先出しを行なうことになります。

デメリットとしてはWMSでロット管理されているわけではないので、リザーブエリアのどの在庫が次に出庫しなければならないロットかはわからないので、別途管理を行なうか、都度すべての保管場所でロットを確認する手間がかかります。管理対象が多かったり、1ロットの数が少なかったりして、リザーブエリアからピッキングエリアへの移動頻度が高い場合には、熟練作業者が在庫の移動に手を取られてしまうという点で単純な工数以上に負担感は高くなります。

■まとめ

物流現場における先入れ先出しについて、かんたんに紹介しました。ここに紹介した以外にも現場ごと、商材ごとの違いによってさまざまな管理方法を考えることができると思います。

どんな方法であってもかかる工数とコストを、それを行なうことによって得られるベネフィットが上回っていることが大事です。この記事がそのための参考になれば幸いです。

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