安全・品質

物流現場における労災/品質トラブル抑止 フールプルーフ化の具体的手法

2022.02.25

物流現場における労災/品質トラブル抑止 フールプルーフ化の具体的手法

物流・製造業界に強い人材企業のSGフィルダーです。この記事では物流現場におけるフールプルーフの具体的な手法について解説します。

フールプルーフは、人がミスしようとしてもできないようにする工夫のことです。作業現場においては、人的なミスによって起こる労働災害や誤出荷などの品質トラブルを未然に防ぐための仕組みのことを言います。

フールプルーフという言葉は聞いたことがあっても、具体的にフールプルーフ化するためにどのような手法があるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、物流倉庫を想定し、フールプルーフにはどのような手法があるのか、どのように活用すればよいのかについて解説します。

※この記事は一般的なフールプルーフに関する考え方をまとめたものです。また、紹介している事例は一部であり、すべてに当てはまるものではありません。

関連記事:フールプルーフの意味とは 安全のために知っておきたい考え方

フールプルーフの考え方と具体的手法

どのようなミスが起こるかを想定する

フールプルーフを考えるに当たり、まずはどのような間違いが起こるのかの想定が必要です。どのようなミスが起こり、どのような影響が発生するかを確認します。

新たな作業の手順を計画するときは、作業経験が少ない人がどのように判断し、作業しようとするかを想定します。

既に稼働している現場では何か実際に問題が起こって、その対策のために作業手順を変更するということも多いかもしれません。

フールプルーフ化の具体的手法として、大きく分けて2つのグループに分けることができます。「間違えないようにする」手法と「間違えそうになっても問題ないようにする」手法の2つです。

間違えないようにする

間違えないようにする手法としては、

・作業そのものを排除する(排除)

・作業を人間に任せない(代替化)

・作業を人間にとって容易なものにする(容易化)

の3つがあり、上から順に優先順位が高くなっています。

作業そのものの必要性をなくせばミスは起こりませんし、機械の導入などなんらかの方法で人間が作業するのをやめれば間違いをなくすことができます。それが難しいときには容易化することで間違いが起こる可能性を下げるようにします。

間違えそうになっても問題ないようにする

間違えそうになっても問題ないようにする手法としては

・ミスを検出し処置すること(異常検出)

・ミスの影響を緩和するような作業や工夫を設置する(影響緩和)

の2つがあります。

これらはミスをしてもトラブルに発展する前に防ぐ方法です。

詳細については以下の項目で説明していきます。

フールプルーフの代表的な手法

排除

排除とは、作業そのものをなくすことです。

トラブルの発生源となる要因である作業そのものを無くすことでミスが起こらなくなります。

代替化

代替化とは、人間が行っている作業を別の方法で置き換えることです。

機械を導入することで完全自動化するのは代替化の最たる例です。それ以外にも作業の一部を代替化することでフールプルーフとすることもできます。例えばチェックリストを目視で照合して確認していた作業にバーコードリーダーを導入すれば、「目視での照合」という人間の判断する作業を代替化することができます。

容易化

容易化とは、作業を作業者のやりやすいものにしてミスを低減することです。作業方法を容易にする方法と容易に作業できるよう作業対象を変更する方法の二通り考えることができます。

作業方法を容易にするには、注意点が同じ作業だけを連続して作業することにすれば、作業の習熟度を上げやすくすることができます。

容易に作業できるよう作業対象を変更するというのは、例えば文字の大きさを大きくして判別しやすくする、長い番号をハイフンで区切って認識しやすくするなどが考えられます。

異常検出

異常検出とは、トラブルに発展する前の段階で作業ミスを検出して修正することです。

例えば製品にシール貼りを行うとき、気をつけなければいけないのはシールの貼り漏れです。作業前にシールと製品の枚数をあわせたセットを作成し、そのセットが完了するごとにシールに余りがないかを確認してから後工程に送ります。もしシールに余りが出たらそのセットの中からシールが付いていない製品を探します。こうすることでトラブルに発展する前に作業ミスを検出することができます。

影響緩和

影響緩和とは、作業ミスによる影響をトラブルに発展しないように緩和するようにすることです。

棚の支柱に緩衝材を巻くことは、製品を支柱にぶつけるミスが起きたとき傷がつきにくくすることで影響を緩和します。

初めてその作業を行う人など、初めて作業を行う人など人を別ラインに集めて作業結果のチェックを行ったり、ミスが判明したときに追跡しやすくするのも影響緩和の例と言えます。

まとめ

フールプルーフ化の手法として排除、代替化、容易化、異常検出、影響緩和の5つを紹介しました。

人為的なミスによるトラブルが起きている工程を発見したとき、これら5つの考え方をあてはめたり組み合わせたりすることで工程をフールプルーフ化できるかもしれません。ぜひお試しください。

労働災害や品質トラブルを抑止する方法を考えるにあたり、どのような手法があるのか、具体的切り口として参考になれば幸いです。

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