生産性

改善の4原則(ECRS)とは?排除・結合・交換・簡素化

2022.03.16

改善の4原則(ECRS)とは?排除・結合・交換・簡素化

物流・製造業界に強い人材企業のSGフィルダーです。この記事では改善の4原則について解説します。

ECRSという言葉を聞いたことがありますか。工程改善の4つの方法である、排除・結合・交換・簡素化を表した言葉です。

改善の4原則(ECRSの原則)

ECRSの原則とは

ECRSの原則とは、排除(Eliminate)・結合(Combine)・交換(Rearrange)・簡素化(Simplify)の頭文字を並べたものです。この順番は工程改善における優先順位を表しており、排除が最も改善の効果が高く、排除→結合→交換→簡素化の順に取り組むのが効率的とされています。

工程改善の基本

ECRSの原則は工程改善の基本と言われており、物流現場においても頻繁に使われています。

工程改善においてどのようなことをすれば改善できるのかわからないとき、このECRSの原則に当てはめて、工程を排除できないか、結合できないか、交換できないか、簡素化できないかを考えてみると改善のアイデアが浮かんでくるかもしれません。

また改善において避けたいのは、作業に手を加えて効率化したもののそもそも無くすことのできる作業だった、ということです。ECRSの原則を知っていれば「そもそも排除できないか」「結合したほうが改善につながるかもしれない」といった発想を持つことができるでしょう。

それでは具体的に物流現場で排除・結合・交換・簡素化でどのような改善を行うことができるのか説明していきます。

排除(Eliminate)

目的を明確にする

工程改善において最も効果が高いのが排除です。これは工程そのものを無くすという改善です。そもそもどのような目的でその工程を行っているのかを見直し、不要であればその工程を無くすことができます。

目的がわからないまま行われている工程の中には、過去に行っていたデータ計測作業の名残や、ミスを防ぐための確認作業として導入されたものなど、さまざまなパターンがあります。ミスを防ぐための確認作業の場合は、一概に排除するのではなく、そのミスの起こりやすさと影響度合いに応じて作業を残す必要もあるので、見極めが必要です。

他の手段を考える

絶対に排除できないと思っているような作業でも、他の手段を考えることで排除できる場合もあります。

例えば作業員を増員するとき、作業員を自社で採用する場合、求人広告の発注から面接まで多岐にわたる採用業務が発生します。しかし代替手段として人材派遣サービスを使えば、面接を行う責任者レベルの従業員の業務を減らし、現場の問題解決など優先度の高い業務に時間を割くことができるようになります。

結合(Combine)

組み合わせを変える

組み合わせ、つまりコンビネーションを変えることで改善ができないかを考えます。

例えば似た作業を行っている2つのグループを結合することで作業量を平準化すれば手待ちの時間を削減できる可能性があります。反対に分割することで煩雑な業務フローを解消しシンプルにすることで業務改善につながることもあります。組み合わせが最適かどうかを考えるのが結合です。

交換(Rearrange)

順序や場所を入れ替える

作業順序を入れ替えることで効率化につながることがあります。例えば通常検品は最終工程で行うことが多いですが、不良品が発生しやすい工程の直後に検品を行うことでその後の作業工程がムダになるのを抑制することができます。

同じ機能を果たす別の方法を考える

また同じ機能を果たす別の方法を考えるのも交換です。古くなっているシステムを入れ替えることで作業の効率化を狙うことができます。

組織的な視点でも、より適切な担当者と入れ替えたり、部署単位で外注してリソースを集中したりすることで効率化できることがあります。

簡素化(Simplify)

作業を簡単にする

簡素化とは、一言で言えば誰でもできる業務に落とし込むことです。

作業が複雑になっている要因にアプローチし、作業をシンプルにします。

新人作業者の手が止まりがちなのが判断を伴う作業です。作業から判断する工程を分離することは簡素化の代表的なやり方のひとつです。判断を機械に任せる方法と判断のやり方を工夫する方法などがあります。

他のアプローチとして、ツールを作成することで作業を簡単にするという方法もあります。マニュアルや早見表などのツールを作成することで作業を簡単にします。

道具を変更する

作業員が腰を長時間かがめるなど無理な姿勢で作業を行っていることはありませんか。

道具を変更することで作業員の負荷を減らすのも簡素化の方法の一つです。作業員の負荷を軽減することでミスを減らし生産性を高めることができます。

作業台を改善したり新たな工具や道具を導入したりすることで解消することができる場合があります。座ったままで作業できるのであれば椅子を用意する、立っている必要があればクッション性の高いマットを敷くなども疲労軽減につながります。

まとめ

改善の4原則について具体例を交えながら説明しました。

物流現場で作業改善に着手するにあたって、改善の方法としてECRSの原則(排除・結合・交換・簡素化)がヒントとなれば幸いです。

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