物流知識

どんな種類がある?物流倉庫で使うコンベヤの仲間

2021.10.06

どんな種類がある?物流倉庫で使うコンベヤの仲間

物流倉庫の構内で物を移動させる設備(マテハン)のひとつにコンベヤがあります。
この記事では物流倉庫を想定し、お荷物を搬送するコンベヤの導入にあたってどのようなコンベヤがあるか、どのように選べばよいか簡単に解説します

コンベヤの定義と種類

コンベヤの定義

コンベヤは日本工業規格(JIS)においては「荷(運搬物又は搬送物)を連続的に運ぶ機械」と定義されています。

代表的なものにベルトコンベヤがあります。空港の荷物受け取り所などでも使われているため一般の方でもイメージしやすいのではないでしょうか。

コンベヤにはベルトコンベヤ以外にもさまざまな種類のコンベヤがあります。

ばら物コンベヤとかず物コンベヤ

コンベヤは大きく分けると「ばら物コンベヤ」と「かず物コンベヤ」の2つにわけることができます。

石炭や土砂などひとつの単位にまとめられていないものを搬送するコンベヤのことを「ばら物コンベヤ」と呼びます。

ばら物コンベヤの例としてはらせん状の羽を回転させる「スクリューコンベヤ」やベルトの断面がアルファベットのUやV、もしくは船底のような形になっている「トラフ形ベルトコンベヤ」等が挙げられます。

一方でダンボール箱など数を数えられるものを搬送するコンベヤのことを区別して「かず物コンベヤ」と呼びます。

かず物コンベヤの例としては連なった回転するローラの上を搬送する「ローラコンベヤ」などがあります。

以降ではかず物コンベヤを中心に説明します。

物流倉庫におけるコンベヤの使用目的

物流倉庫におけるコンベヤの使用目的では主だったものとしては仕分け、ライン作業、後工程への搬送の三つを挙げることができます。

仕分け

複数の商品をオーダーごとに仕分けたり、荷物を行き先別に仕分けたりします。自動仕分け機と組み合わせて完全に自動化したり、人が移動することなく作業を行ったりすることができます。

ライン作業

流れてくる荷物にコンベヤ上で検品やシール貼りなどの作業を行います。荷物を作業者が持ち上げたり移動させたりする必要がなくなるので生産性が向上します。

後工程への搬送

作業が終了したものをコンベヤに載せて後工程へ搬送します。台車やパレットなどを用いて個別に搬送するのに比べて省力化でき効率を下げずに小ロットで搬送が可能です。

物流倉庫におけるコンベヤの種類と特徴

ベルトコンベヤ

ベルトの上に荷物を載せて運ぶコンベヤです。ローラコンベヤのように隙間に荷物が落ちないのが特徴です。

一定以下の傾斜であれば上方に向かって荷を搬送することも出来ます。

しかし、短い距離では導入費用が比較的高くなりがちで、ベルト部分が断裂すると交換しなければいけないなどメンテナンスコストも継続的にかかることがあります。

ベルトの材質にはゴム以外にも、織物、金網、合成樹脂のものなどもあります。

駆動ローラコンベヤ

動力を用いてローラを駆動させて荷を運ぶコンベヤです。

一部のローラだけを駆動させるものとすべてのローラを結合して駆動させるものがあります。

比較的軽量なためレイアウト変更をしやすいのが特徴です。

しかし、小さなものや薄いものが隙間から落ちてしまうことや、摩擦係数が低い荷をうまく搬送できないことがあります。

ベルトコンベヤに比べて荷物にかかる摩擦力が小さいため傾斜を上に向かって搬送するのは不得手です。

フリーローラコンベヤ

回転するローラを連ねた動力を持たないコンベヤです。

傾斜を用いて重力を使って搬送したり、人力で押して搬送したりします。

導入費用が安い、動力がないため配線不要かつ軽量なのでレイアウト変更しやすいのが特徴です。

しかし、重力を利用した搬送方法であるため、傾斜でできる範囲の距離までしか自動的に搬送できないことがあります。

仕分けコンベヤ

搬送物を自動的に仕分けることのできるコンベヤのことを総称して特に仕分けコンベヤと呼びます。

仕分けコンベヤは仕分けを目的とした機械なので「ソーター(仕分け機)」と呼ぶほうが一般的かもしれません。

搬送面の下からローラなどの分岐装置がポップアップして方向転換させる方式、コンベヤの外側からプッシャで押し出す方式、走行するトレーを倒して荷をすべり落とす方式(チルト式仕分けコンベヤ)などさまざまな種類があります。

荷物の重さや大きさ、必要な荷扱に応じて選定を行います。

まとめ

物流倉庫の効率化に欠かせないマテハンのひとつであるコンベヤについて、種類や選び方を簡単に解説しました。

導入の目的、取り扱う荷物の種類によって、どんなコンベヤを導入すればいいかが変わります。

価格が安く汎用性が高いのはフリーローラコンベヤですが、仕分けが目的であれば仕分けコンベヤのほうが明らかに省人化のインパクトは大きくなります。導入する目的、扱う荷物、投資費用等によって選ぶコンベヤも変わると思いますので、検討時の参考になれば幸いです。

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