物流知識

静脈物流ってなに?物流の領域についてやさしく解説

2020.11.11

静脈物流ってなに?物流の領域についてやさしく解説

物流・製造に特化した人材企業のSGフィルダーです。

この記事では物流倉庫に初めて着任した新入社員、あるいは物流倉庫の中の全体像を把握しておきたい物流事務やフォークリフトなどのアルバイト・パートの方に向けて、物流の領域について解説します。

物流の分類を知ることは物流を理解する基礎となります。自分が働いている部門・部署がどのような位置づけになっているのか、全体像を掴んでいただけるよう、できる限りわかりやすく解説していきます。

企業活動における物流

物流の領域

企業の活動や実態に応じて○○物流と呼ばれるような物流領域がいくつかあります。物流に求められるものは領域によって大きく異なるので名前をつけることによって理解度を上げてコミュニケーションをスムーズにすることができるのではないでしょうか。

企業活動から見た物流

物流の領域は企業の活動に関わって分類されています。

メーカー、例えばパソコンメーカーのような会社を想像してみてください。

パソコンメーカーはパソコンを作っています。パソコンはネジやCPUなど様々な部品が使われています。その部品を別の会社から購入して完成品のパソコンを組み立てます。完成したパソコンは工場から家電量販店などに運ばれ販売されます。さらにパソコンが売れたあとにも不具合があれば工場に送られ修理されることもあります。

このような様々な企業活動におけるモノの移動について分類しているのが物流領域です。

物流を大きく分けると動脈物流と静脈物流がある

物流の領域を大きく分けると2つにわけることができます。それが動脈物流静脈物流です。

動脈物流

動脈物流というのは原材料から商品へと加工され最終消費者へと運ばれていく物流のことです。物流を生き物の血液の流れに例えて、心臓から出て体の末端まで行く動脈になぞらえて「動脈物流」と呼ばれています。

調達物流、生産物流などが動脈物流に分類されます。

静脈物流

静脈物流というのは消費者から返品や回収などによって企業へと運ばれる物流のことです。動脈物流と同様に体の中を巡った血液が心臓へと戻っていく静脈になぞらえて「静脈物流」と呼ばれています。この静脈物流のことをリバース・ロジスティクスと呼ぶこともあります。

返品物流、廃棄物流などが静脈物流に分類されます。

規模としては圧倒的に動脈物流のほうが規模は大きいですが、静脈物流も世の中に無くてはならない物流の機能といえます。

動脈物流の種類

調達物流

調達物流とは、原料や部品の調達に伴うモノの動きのことを指します。流通業では最終商品の仕入れも調達物流と呼ばれます。取引先から自社が仕入れる物流と考えると理解しやすいでしょう。

日本では企業同士の取引であっても商品価格に送料が含まれていることが多いので、調達物流に関しては自社の物流領域と考えない企業も多かったです。昨今では物流の人手不足が社会問題として認識され物流コストが上がっていることから調達物流に関しても取引先と連携して効率化・コストダウンを行うケースが増えてきました。

社内物流(生産物流)

大規模な工場敷地内での輸送や工場拠点から倉庫拠点への輸送、倉庫から営業所への輸送など、社内の拠点間の輸送のことを社内物流と呼びます。社内物流は生産工程と密接な関係にあり、特に生産工程の物流のことを指して生産物流と呼ばれることもあります。生産工程の効率化と社内物流の効率化は相反関係にある部分も多いため、細やかなコスト・メリットの算出によって効率化の優先順位を決める必要性があります。

販売物流

販売物流はその名の通り販売先に商品を納品する物流です。販売物流は納品先と取り決めたサービスレベル(納品ルール)にしたがって納品を行います。企業間の納品であればオーダー締め切り時間や納期、納品の際の付帯業務など詳細な取り決めがあります。実際に納品を行うドライバーは重要な顧客接点のひとつでもあるため、清潔感や丁寧な対応が求められます。場合によっては顧客サービスのために事前に取り決めた納品ルールにないサービスが行われていることがあるため常に契約内容と現場で行われていることを見比べ、差異があれば解消、あるいはサービスに見合う対価を交渉する必要性があります。

静脈物流の種類

回収物流

回収物流は、商品不具合によるリコールの商品回収を指す場合が多いです。一方納品の際に使用したパレットや通い箱などの回収のことを指して回収物流と呼ぶことがあります。話者によっては静脈物流全般を指して回収物流と呼んでいる場合もあるようです。これらはひとくちに回収物流と言ってもかなり性格が異なるため、具体的に何を指しているか文脈によって読み取る必要があります。

返品物流

返品物流は、個別の商品不具合などによる最終消費者からの返品、店舗での売れ残り商品の返品に伴う商品移動など、さまざまな理由で行われます。多くの場合商品は工場から出荷された状態とは異なる状態で返品されてくるため、それらを再度出荷するためには不足物や汚損がないかどうかの確認や整備の工程が必要になります。

廃棄物流

廃棄に伴って発生する物流が廃棄物流です。一般家庭から出る一般廃棄物以外にも、家電リサイクル法によってリサイクルされる家電や、産業廃棄物に関するモノの動きなど廃棄物流と呼ばれています。

その他の物流領域

企業から消費者の方向へ向かう物流、消費者から企業の方向へ向かう物流がそれぞれ動脈物流と静脈物流でしたが、その他に消費者に直接提供される物流サービスもあります。そのような物流サービスのことを消費者物流と呼びます。

消費者物流

消費者物流とは、宅配便や引っ越し、トランクルームなど、消費者に直接提供される物流サービスのことを指します。C to Cの領域に限らず、宅配便を用いたネット通販の納品などについても消費者物流の領域と見なすケースもあります。

まとめ

消費者物流

物流とひとくちに言っても調達から生産、販売へと向かう動脈物流、また消費者から企業へと向かう静脈物流があるということがご理解いただけたかと思います。

様々な物流領域の違いについて理解を深めることでどんなポイントに注意を払う必要があるのか、どうしたら効率をあげることができるのかが見えてくるのではないでしょうか。

SGフィルダーは物流・製造に特化した人材・アウトソーシングサービスを展開しています。物流効率化に関するご相談についても当社グループで承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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