安全・品質

効率が変わる?物流倉庫のロケーション番号の付け方と工夫

2021.02.17

効率が変わる?物流倉庫のロケーション番号の付け方と工夫

そもそも物流倉庫のロケーション番号とは

倉庫内における在庫の住所

物流倉庫では商材を格納するスペースごとに番号が設定されています。それがロケーション番号です。ロケ番と略したり、棚番号(棚番)と呼ばれたりすることもあります。

ロケーション番号は、一般的に一つの間口につき一つついています。番号はハイフン( – )で区切って、エリア名や通路番号、いくつめのラックか、何段目の棚か、いくつめの間口かなどの組み合わせでつけられます。例えばBエリアの3番目の通路、4番目のラックの5段目、6つ目の間口であれば「B34-05-06」のように付けます。

フリーロケーションでも固定ロケーションでも使える

倉庫での保管にはフリーロケーションと固定ロケーションがあります。フリーロケーションは空いている間口にどの品物を格納してもよい方式で、ロケーション番号と商材をデータ上、紐付けることで場所を管理します。固定ロケーションは商材を格納する場所を決めておく方式で、倉庫管理システムが未導入な場合に用いられることが多いです。

ロケーション番号はフリーロケーションの場合必ず必要になりますが、固定ロケーションの場合品名をそのままロケーション名として使っている場合もあるかもしれません。ただ、品名をロケーション名にしてしまうと、初めて業務を行う作業者はどこになにがあるのかわからなくなってしまいます。誰がみても理解できるロケーション番号をつけることで簡単にピッキング作業を行うことができるようになります。

また、物量が増加してきたときにスムーズに倉庫管理システムを導入することにもつながります。

ロケーション番号の付け方は生産性に直結する

歩行順に合わせたロケーション番号で歩数削減

歩行順に合わせてロケーション番号を設定することでピッキング作業者の歩数を削減することができます。

さまざまなロケーション変更の結果、迷いやすかったり、途中で逆行したりしなければならないような歩行順になってしまっているという現場はよくあります。効率的な動線で歩行できるようにロケーション番号と歩行順を整理することでピッキングにおける歩数を削減し、生産性を向上させることができます。

感覚的に位置がわかれば歩行速度もあがる

一つずつ棚に表示された数字を見ながら歩行しているとどうしても歩行スピードは落ちてしまいます。一定の法則に従って感覚的にどこになにがあるかわかればそこの近くまでは全速力で歩行することができます。歩行スピードはピッキングの生産性を上げようとするときに重要な要素です。

ロケーション番号の設定の工夫の例

同じスタッフが稼働する現場内はルールを統一する

ロケーション番号の付け方は現場・商材に応じて様々なやり方が考えられます。ただし、生産性という観点から考えると同じ現場内、少なくとも同じスタッフが稼働するエリアでは同じルールで統一しておくことが望ましいです。現場内にさまざまなルールがあると、作業するスタッフは混乱してしまい、習熟スピードが下がり生産性が上がりにくい状況になってしまいます。

棚ではなく通路に番号を設定する

ロケーション番号をつけるときは、棚ではなく通路に番号を設定します。棚に番号を設定してしまうと、2つの通路にまたがって在庫がある状態になり、作業者は間違って別の通路に入ってしまいます。そうすると作業者は一旦出て隣の通路に入り直さなければいけなくなります。通路に番号を設定しておけば、その番号の通路に入れば必ず目的の商品がある状態になります。

また通路に番号をつけることで棚の列に番号をつけるより使用する数を少なくすることができます。使用する数が減ればロケーション番号の桁数も減らすことができるので、ロケーション番号を短くして覚えやすくすることにつながります。

奇数と偶数を左右に紐付ける

通路の左右をそれぞれ奇数・偶数に紐付けることで情報量を増やし、位置のアタリをつけさせやすくするという方法もあります。

入り口から見て右側が奇数、左側が偶数の通路番号を付けます。統一さえされていれば右側が偶数で左側が奇数でも特に問題はありません。

1~8まででエリアを区切ることで桁数が増えることを抑止することができます。9を使うと偶数側桁が繰り上がって10になってしまうので8までということになります。桁数は少なければ少ないほど記憶しやすいので特別な理由がなければエリアを変えたほうがよいでしょう。

通路内の各棚も同様に入り口から見て右側が奇数、左側が偶数になるように番号を付けます。通路番号、棚番号をともに偶数・奇数を左右に紐付けることで作業者が感覚で覚えることができるようになります。

棚の間に柱等があって棚が置けない場合、連番ではないので奇数偶数は入れ替わりません。図の場合であればB34にあたる棚は欠番にするようにします。

エリアの境界で向かい側に棚がなかったとしても、通路の向かって左側なので偶数番の棚番号を付けます。

色を活用する

文字は近づかなければ見ることができません。一方で色は文字が認識できる距離よりもかなり遠くから認識することができます。

ある程度の大きさの倉庫であればエリアの数だけで10エリア前後あることも珍しくありません。エリア名と色を紐付けることで遠くからでも向かう先を認識し、歩行スピードを早めることができます。

新たにエリア名をつけることができるのであれば、色の頭文字をエリア名にして、R(red=赤)、B(Blue=青)、Y(Yellow=黄色)のようなエリア名を付けるのもひとつの方法です。

すでにABCでエリアがついている場合は、その頭文字から始まる英単語に紐付け色を当てはめる方法もあります。例えばAエリアはAppleで赤、BエリアはBlueberryで青、CエリアはCheeseで黄色、DエリアはDeerで茶色、EエリアはEggで白、という具合です。

エリア表示で色や絵を表示することでスタッフも覚えやすくなります。無機質になりがちな物流倉庫が少しだけファンシーな雰囲気で明るくなるかもしれません。

まとめ

ロケーション番号の付け方は現場やシステムによってさまざまな制約もあり、この記事で紹介した方法はあくまで一例となります。ロケーション番号の付け方はピッキングの生産性に直結する非常に重要な要素で、倉庫管理におけるひとつの腕の見せ所です。

この記事が現場の生産性向上に役立てば幸いです。

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