安全・品質

フールプルーフの意味とは 安全と品質のために知っておきたい考え方

2021.10.20

フールプルーフの意味とは 安全と品質のために知っておきたい考え方

物流現場でミスをするとどんな事が起こるでしょうか。他の従業員に怪我をさせてしまったり、ミスをした本人が怪我をしてしまったりする可能性があります。取り扱っている商品や設備が壊れてしまう、納品先や後工程に迷惑をかけてしまうこともあります。

多くの人がそのような可能性があることは理解していますが、人間はときにミスをしてしまうものでもあります。

人間がミスをしないようにする工夫のことをフールプルーフと言います。この記事ではフールプルーフについて簡単に解説します。従業員や管理者が安全のために知っておきたい知識の一つです。

フールプルーフ(foolproof)とは

「人がミスをしようとしてもできないようにする工夫」のこと

フールプルーフとは、「人がミスをしようとしてもできないようにする工夫」のことです。

フールとは「愚者」、プルーフは「耐える」という意味があります。

「ウォータープルーフ」は水に耐えることができるので「耐水」となります。フールプルーフは「愚者に耐えることができる」、つまり「どんな人でもミスをしない」設計を意味しています。

具体例として、

・手を挟まないように両手で押さないと作動しないようになっている工作機械

・扉が空いたままだと作動しない電子レンジ

・同じ色の差込口に挿すようになっている三色の映像ケーブル端子

などが挙げられます。

フェイルセーフ(fail safe)との違い

似たようなシーンで使われる言葉にフェイルセーフという言葉もあります。フェイルセーフは「失敗しても安全にする工夫」のことです。

具体例としては、

・人や物に接触しそうになったら止まる自動ドア

・電源が消失したら閉まる踏切

などが挙げられます。

フェイルセーフとフールプルーフは「人がミスをすること」を前提として設計されることは共通しています。失敗したとしても安全を守るのがフェイルセーフ、そもそも失敗しないようにするのがフールプルーフです。

エラープルーフ(error proof)との違い

エラープルーフはフールプルーフを言い換えた表現で、ほぼ同じ意味で使われているようです。「フール(愚か者)」という表現を避け、「エラー(間違い)」という比較的フラットな表現になっています。

現状では英語圏を含めてフールプルーフのほうが定着した表現となっているようです。

職場の安全のためにフールプルーフの共有

労働災害を防止するフールプルーフ

製品設計やITシステムの設計の分野で使われることの多いフールプルーフですが、物流現場や製造現場など、職場の運用ルールを考えるときにも使える概念です。

また、安全を守るという点においては工業製品を利用する側としてもフールプルーフのことを知っておくことで労働災害の防止につなげることができます。

フールプルーフはその気になれば無効化できてしまうことも

フールプルーフはその気になれば無効化することが可能な場合も多いです。

例えば機械が両手で押さなければ作動しないようになっていたとしても、片方をテープで固定するなど、道具を使えば無効化することができてしまいます。

通常の状態で使用する分にはフールプルーフとして機能していたとしても、「作業効率が下がる」といった理由で無効化されてしまうと不安全な状態に陥ります。

フールプルーフは安全のために設定されているという知識を共有する

フールプルーフは性質上手順が増える、手間が増えることにつながる場合が多いです。作業者がフールプルーフの概念がない場合、独断でフールプルーフを解除して操作や作業を行ってしまう可能性が高くなります。

管理者は、機械の操作方法や作業手順がフールプルーフの考え方に基づいて決められていることを作業者に周知し、安全を守り品質を担保するためにフールプルーフを無効化しないよう注意喚起しましょう。

その上で、職場において何がフールプルーフなのか、どういったことを防ぐためにそのような運用ルールになっているかを共有することで労働災害の防止につながるはずです。

まとめ

フールプルーフの概念について簡単に説明しました。

職場の安全を守り、品質を担保するためにはフールプルーフについて知ることは重要です。フールプルーフについて、なんとなく聞いたことはあるけど説明するのは難しい、と感じている方は多いと思います。この記事を活用して職場でフールプルーフの概念について共有してみてはいかがでしょうか。

フールプルーフによる品質低下や労働災害を抑止する方法の具体的手法については以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

物流現場における労災/品質トラブル抑止 フールプルーフ化の具体的手法

安全・品質

物流現場における労災/品質トラブル抑止 フールプルーフ化の具体的手法

物流・製造業界に強い人材企業のSGフィルダーです。この記事では物流現場におけるフールプルーフの具体的な手法について解説します。

フールプルーフは、人がミスしようとしてもできないようにする工夫のことです。作業現場においては、人的なミスによって起こる労働災害や誤出荷などの品質トラブルを未然に防ぐための仕組みのことを言います。

フールプルーフという言葉は聞いたことがあっても、具体的にフールプルーフ化するためにどのような手法があるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、物流倉庫を想定し、フールプルーフにはどのような手法があるのか、どのように活用すればよいのかについて解説します。

※この記事は一般的なフールプルーフに関する考え方をまとめたものです。また、紹介している事例は一部であり、すべてに当てはまるものではありません。

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